お話し

はぐれたイルカの親子

台風が過ぎ去った夕方、ボボちゃん達は大丈夫かなぁと様子を見に来たゆうごう君は、沖合から、一頭の小さなイルカが近づいてきたのに気がついた。

キューキューどゆうごう君に何か訴えるように泣いてきた。

どうしたの?仲間は?はぐれたの?

ゆうごう君はきいてみたが、イルカは答えず沖合にまた消えていった。

でも今度は大人のイルカも一緒に近づいてきた。

あーお母さんかなぁ、よかったね、お母さんが見つかって❣️

どゆうごう君が言うと嬉しそうに沖へ泳いで行きました。

あのイルカ、群れからはぐれたんだなあ、ボボちゃんが居たら、紹介してあげるのに…

 

みあげると、空はもう暗くなり始めていたので、ゆうごう君は、嵐で打ち上げられた漂流物のゴミを持ち、お家へと帰って行きました。

 

次の朝、学校に行く前、ゆうごう君は昨日出会った、見慣れないイルカの母子が気になり、浜辺に降りて行きました。

 

おはよう〜❣️

と波間の遠くに見えた尾びれに呼びかけると、2人は近づいてきました

 

おはよう❣️おふたりさん

この辺りでは見ないイルカさんだね、

僕はゆうごう。君たちは?家族と離れちゃったの?

 

すると、母イルカは驚いたように、

 

まぁ、あなたはお話しが私たちイルカと出来るの???

 

と顔を水面に上げて、しげしげとゆうごう君を見つめました。

すると、ゆうごう君は少し照れたように、

うん、そうなの。僕君達の言葉がわかるんだ。なぜだか分からないけど、ポポちゃんと出会ってから、なんだ(^_-)

 

ポポちゃん?

とお母さんイルカ。子供イルカと顔を見合わせ、

それはイルカさんなのね?

 

そう❣️イルカのポポちゃん❣️

と元気良くゆうごう君が答えると、お母さんは続けます。

 

そうなの、ゆうごう君。

私たち親子は、あの嵐のなか、波がすごく荒れて、私の旦那さんやお母さん、お父さん、そして2人の子供達と離れ離れになってしまったの

 

とお母さんイルカは悲しそうに言いました。

 

私の名前はミミ、この子はファンファンと言います。どうぞよろしくね。ゆうごう君。

とお母さんイルカは、気を取り直して、明るく自己紹介しました。