母子イルカとお話し
ゆうごう君はその親子に言いました。
そっか〜嵐で家族とはぐれちゃったんだね
それはたいへんだね…そうだ❗️
この浜辺にはね、ポポちゃんって言う、僕の友達のイルカとその家族が居るんだ。
ポポちゃんは前もね、トントン君て言うイルカの男の子を水族館から出してあげたり、トントン君の家族を探しに行って、お母さんを助けだしたり、とっても頼りになる子なんだ。
だから、君たちのことも助けてくれるよ❣️
僕のところにそのうちポポちゃん、会いに来てくれるから、それまでしばらく、この浜辺のあたりでゆっくりしてて。おさかなを採ったりして、過ごしていてね(^_-)
ゆうごう君がそう話すと、親子はホッとしたようで、
まぁそんな優しい子が居るんですね〜
と母イルカは目をキラキラさせて、聞いていました。それまでは、少しくたびれ、ふあんそうだったのに。
そして、ゆうごう君と親子はお日様がだいぶ傾いてきたので、
また明日ねー❣️
うん、またね(^o^)/
と言って、それぞれ海へ、お家へと帰って行ったのでした…
はぐれたイルカの親子
台風が過ぎ去った夕方、ボボちゃん達は大丈夫かなぁと様子を見に来たゆうごう君は、沖合から、一頭の小さなイルカが近づいてきたのに気がついた。
キューキューどゆうごう君に何か訴えるように泣いてきた。
どうしたの?仲間は?はぐれたの?
ゆうごう君はきいてみたが、イルカは答えず沖合にまた消えていった。
でも今度は大人のイルカも一緒に近づいてきた。
あーお母さんかなぁ、よかったね、お母さんが見つかって❣️
どゆうごう君が言うと嬉しそうに沖へ泳いで行きました。
あのイルカ、群れからはぐれたんだなあ、ボボちゃんが居たら、紹介してあげるのに…
みあげると、空はもう暗くなり始めていたので、ゆうごう君は、嵐で打ち上げられた漂流物のゴミを持ち、お家へと帰って行きました。
次の朝、学校に行く前、ゆうごう君は昨日出会った、見慣れないイルカの母子が気になり、浜辺に降りて行きました。
おはよう〜❣️
と波間の遠くに見えた尾びれに呼びかけると、2人は近づいてきました
おはよう❣️おふたりさん
この辺りでは見ないイルカさんだね、
僕はゆうごう。君たちは?家族と離れちゃったの?
すると、母イルカは驚いたように、
まぁ、あなたはお話しが私たちイルカと出来るの???
と顔を水面に上げて、しげしげとゆうごう君を見つめました。
すると、ゆうごう君は少し照れたように、
うん、そうなの。僕君達の言葉がわかるんだ。なぜだか分からないけど、ポポちゃんと出会ってから、なんだ(^_-)
ポポちゃん?
とお母さんイルカ。子供イルカと顔を見合わせ、
それはイルカさんなのね?
そう❣️イルカのポポちゃん❣️
と元気良くゆうごう君が答えると、お母さんは続けます。
そうなの、ゆうごう君。
私たち親子は、あの嵐のなか、波がすごく荒れて、私の旦那さんやお母さん、お父さん、そして2人の子供達と離れ離れになってしまったの
とお母さんイルカは悲しそうに言いました。
私の名前はミミ、この子はファンファンと言います。どうぞよろしくね。ゆうごう君。
とお母さんイルカは、気を取り直して、明るく自己紹介しました。
台風が来た!
ゆうごう君はいつものように、海辺の高台にあるお家から、小学校へ登校していきました。
小学校は海から離れた丘の上にあります。
ゆうごうくんははうねうねと続く丘の道を、いつもの鼻歌を歌いながら、道端の『宝物』を見つけたりしながら、登っていきます。
その道の途中、海に向かってふと振り返ると、キラキラと広がる海が見えます。
でも今日は雲が低く垂れ込めて、なんだか雨が降ってきそう。
小学校の授業が終わる頃には雨が降り出し、お帰りの会では担任の服部先生から台風が来ていることを告げられます。
服部先生は眼鏡をかけた心優しい若い男の先生です。
『みなさんもしっているとおり、台風が来ているので、今晩から明日にかけて雨がひどくなります。ですから、朝7時前に電話連絡網できゅうこうになるかどうか、お知らせしますね』
生徒たちはえっ〜と驚いたり、やった〜休みだ〜とはしゃいだり、いろいろです。
ゆうごうくんは、心の中で、「台風か…ポポちゃん達は大丈夫かなぁ」と心配になりました。
会が終わり、みんなで、さようなら!を言うと、時折ブオーッと吹き付ける風と雨の中、傘を横に傾むけたりしながら、一目散にお家へ向かいました。
お家にかえり、ただいまーと玄関を入るとママが奥からおかえり❣️と笑顔で迎えてくれました。
大変だったね〜大丈夫?
と聞いてくれました。
大丈夫!すぐ帰ってきたし!
と、ゆうごうくんは元気に答え、ランドセルをふっくにかけると、うがいと手洗いを済まし、リビングのママに聞きました。
ねぇ、ママ、台風になると、海の中はどうなっちゃうの?ポポちゃん達は大丈夫かなぁ?
するとママは
そうね。台風で潮も満ちているし、波も荒くなるから、海の中も大荒れよね。
でも、イルカさんや海の生き物達は、岩かげに身を潜めたり、さらに深く潜ったり、避難してるから、きっと、ポポちゃん達は大丈夫よ
とニコッと笑ってくれました。
ゆうごうくんはそれを聞き、ホッとしました。
でも夕ご飯が終わり外をみると、さらに風は強まり、ブオッーと吹き荒れ、海辺のヤシの木はまるで髪を振りまわすように、揺れていました。
ゆうごう君はポポちゃん達の事を思いながら、布団に入り、
どうか、かみさま、ポポちゃん達がつらいことにあってませんように…
と思いながら、うとうとと眠りについたのでした。
イルカのポポちゃんとゆうごうくん
これから書くお話は、息子が眠りにつく前、お部屋を暗くした後、眠気を感じながら、ただ流れに任せ、私が作ってきた、イルカと少年の童話です。
もうかれこれ2年半お話しが続いてきたので、ここらへんで形にしようと思い立ち、日記代わりに記録していこうと思います。
ちなみに、ポポちゃんには実在のモデルがいて、下田水族館の人気者イルカです。
家族で水族館を訪れ、出会ったポポちゃん。
ショーでは華麗な演技を披露していました。